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KLF15:インスリン抵抗性とERストレスの重要な関連因子

KLF15: a critical link between insulin resistance and ER stress

Susan Gray, University of Massachusetts Medical School, USA

Keystone Symposia:Pathogenesis of Diabetes Jan 30, 2012, Santa Fe.

このグループは、Kruppel-like factor 15欠損(KLF15-/-)マウスは高脂肪食負荷しても肝のインスリン抵抗性が起こらず、脂肪肝をきたさないことを報告した(Cell Metab 2007)。ここでは、KLF15がERストレスシグナルを調節し、ERストレスに伴うインスリン抵抗性の発症に重要な役割を果たすことを示す。

ERストレスは、不適切な蛋白折り畳みが小胞体に蓄積することにより起こる細胞のストレスで、これに対するunfolded protein response (UPR)が活性化されて、異常蛋白が分解され、蛋白翻訳が抑制されることにより改善される。KLF15-/-マウスは野生型に比べて、UPRを調節する3つの経路(PERK、IRE1α、ATF6α)が活性化されていた。同様に、高脂肪食負荷するとKLF15-/-マウスの肝では活性型PERKとIRE1αが増加した。また、培養肝細胞にERストレスの誘導因子であるtunicamycinおよびthapsigarginを添加すると、KLF15の発現が数倍に増加した。これらのことから、KLF15はERストレスを軽減させる作用があることが示された。

さらに、KLF15-/-および野生型マウスに3 mg/kgのtunicamycinを腹腔内注入し、24時間後に肝を採取すると、KLF15-/-マウスの方が有意に肝での脂肪蓄積が少なかった。KLF15は、ERストレスによる肝脂肪蓄積に必要であることが分かる。KLF15-/-ではERストレス抵抗性(ERストレス下でも肝のインスリン感受性が保たれる)という結果と合わせて、KLF15はERストレスによるインスリン抵抗性をもたらす重要な因子であることが示された。
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by md345797 | 2012-01-31 10:08 | その他