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褐色および「褐白色」脂肪組織:その特徴と重要性

Brown and Brite Adipose Tissues: Characteristics and Significance

Barbara Cannon, Stockholm University, Sweden

Keystone Symposia:Obesity Jan 31, 2012, Santa Fe.

褐色脂肪細胞は筋原性の細胞由来であり、白色脂肪細胞と違って脂肪細胞よりは筋肉に特有な遺伝子を発現している(そのため、褐色脂肪細胞をadipomyocyteと呼んだりすることもある)。しかし、白色脂肪細胞中のある種の細胞は褐色脂肪に特徴的な遺伝子であるUCP1を発現しており、褐色(brown)と白色(white)の中間の特徴をもった「褐白色("brite”)」または「ベージュ(beige)」脂肪細胞と呼ばれている。この種の細胞は、UCP1を発現するが、筋原細胞由来ではなく、褐色脂肪細胞で発現しているような遺伝子が発現していない。しかし褐色脂肪細胞と共通のTbx15を発現している(Tbx15は褐色・褐白色脂肪細胞で発現し分化を促進するが、白色脂肪細胞には発現していない)。褐白色脂肪組織は、寒冷への順化やある種の食事への適応のためUCP1 mRNAが100-1000倍に増加するが、褐色脂肪組織では50%程度の増加に過ぎないという違いもある(褐白色脂肪組織ではもともとのUCP1発現が少ないことによる)。
by md345797 | 2012-02-01 15:57 | その他