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中枢神経系、肝、膵β細胞のインスリン抵抗性治療のための新規薬剤ターゲットの同定

Identification of New Drug Targets to Treat Insulin Resistance in the CNS, Liver, and Pancreatic Beta-Cells

Domenico Accili, Columbia University, USA

Keystone Symposia:Pathogenesis of Diabetes Feb 1, 2012, Santa Fe.

転写因子FoxO1は様々なインスリン作用に役立っているが、このグループではFoxO1の3つのコンディショナルノックアウトマウスによって、新規薬剤ターゲットを同定することを試みた。

①視床下部AgRPニューロン特異的FoxO1欠損マウス
AgRPニューロンは摂食開始に重要な役割を果たしているが、このニューロン特異的にFoxO1を欠損させると、摂食が減少しインスリン・レプチン感受性が増加する。さらに、発現プロファイリングを用いてFoxO1のターゲットがGpr17であることを同定し、この抑制が摂食を抑制することを明らかにした。このFoxO1-Gpr17経路を阻害する薬剤があれば肥満の治療に役立つと考えられる。

②肝特異的FoxO1欠損マウス
肝でFoxO1を欠損させると、肝および血漿TGが増加する。この異常は、胆汁酸(BA)のプロファイルの変化(12α-hydroxylated BAsとその合成酵素Cyp8b1の欠損)を伴っており、BAが核内受容体FXRを活性化しTGを低下させる能力が障害されているためと考えられた。そのため、BA代謝の12α-hydroxylated産物を生成することが、肝でのインスリン抵抗性や脂質代謝異常の改善につながりうると考えられる。

③β細胞特異的FoxO1欠損マウス
成熟β細胞特異的にFoxO1を欠損させると、β細胞消失とα細胞増加が促進され,
2型糖尿病で見られるような低インスリン・高グルカゴン血症と高血糖が起きる。このβ細胞消失は、β細胞のアポトーシスによるのではなく、β細胞identityの喪失による(Neurogenin3を発現する内分泌前駆細胞がα、δ、Pp細胞にtransdifferentiateする)ためと考えられた。Wntシグナルの再活性化も、このβ細胞脱分化(dedifferentiation)の過程に重要な役割を果たしていると思われた。これらの結果から、FoxO1はβ細胞identityの維持と脱分化抑制に必要であり、Wntシグナルの抑制がβ細胞消失を抑制する治療につながることが示された。
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by md345797 | 2012-02-02 16:04 | その他