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GPR21の欠損は高脂肪食負荷肥満マウスのインスリン感受性を亢進させる

Deletion of G protein coupled receptor 21 improves insulin sensitivity in diet-induced obese mice.

Olivia Osborn, Da Young Oh, Lucinda Thiede, Joanne McNelis, Hide Morinaga, Saswata Talukdar, Min Lu, PingPing Li, Sarah Nalbandian, Manuel Sanchez-Alavez, John Hadcock, Tamas Bartfai, Jerrold M Olefsky University of California San Diego.

Keystone Symposia:Pathogenesis of Diabetes Feb 1, 2012 (Poster 324)

GPR21は、脳とマクロファージに多く発現するオーファンG蛋白共役受容体である。
脂肪組織では、肥満に伴ってGPR21が主に間質血管細胞に発現する。全身のGPR21の欠損は、高脂肪食負荷時のインスリン感受性と耐糖能を改善し、エネルギー消費を増加させる。さらに、GPR21欠損マウスは高インスリン正常血糖クランプによる肝と筋肉のインスリン感受性が改善している。肝と脂肪における炎症性遺伝子発現は低下、抗炎症遺伝子の発現は増加していた。

培養脂肪細胞からのconditioned mediumを腹腔内マクロファージの遊走を刺激するのに用いるin vitroでの走化性の検討を行ったところ、GPR21の欠損によりマクロファージの遊走が減少した。これは、in vivoでのマクロファージトラッキングでも確認された。

インスリン感受性に対する、マクロファージでのGPR21発現の影響を検討するため、造血細胞特異的GPR21欠損マウス(BMT-GPR21-/-)とコントロール(BMT-WT)を比較した。高脂肪食による肥満BMT-GPR21-/-マウスは、耐糖能とインスリン感受性がコントロールに比べて改善していた。このマウスは、全身の炎症マーカーの減少と肝のインスリン感受性の改善が認められた。

In vivoで、視床下部でのGPR21の生理的役割を検討するため、C57BL6マウス視床下部にlenti-GPR21ベクターを直接注入して発現をノックダウンしたところ、体重が減少し、炎症性マーカーの変化は伴わずに糖代謝の中程度の改善が認められた。

結論として、(1)全身のGPR21の欠損はインスリン感受性亢進と組織炎症の減少をもたらす、(2)マクロファージでのGPR21欠損は、マクロファージの走化性を抑制し、組織炎症を減少させることにより、インスリン感受性を増強する、(3)視床下部でのGPR21発現のノックダウンは体重を減少させる。視床下部またはマクロファージでのGPR21発現の減少は、インスリン感受性改善に役立つため、GPR21は肥満に伴うインスリン抵抗性の治療の新規治療ターゲットになりうると考えられた。
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by md345797 | 2012-02-02 16:16 | その他