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Micro-RNA 132および212は脂肪酸代謝とインスリン分泌に対する効果を調節する

Micro-RNA 132 and 212 mediated regulation of fatty acid metabolism and its effect on insulin secretion.

Mufaddal S. Soni, Mary E. Rabaglia, Mark P. Keller, Sushant Bhatnagar, Jin Shang, Yun-Ping Zhou, Alan D. Attie. University of Wisconsin- Madison

Keystone Symposia:Pathogenesis of Diabetes Feb 2, 2012 (Poster 407)

肥満における糖尿病になりやすさ(diabetes susceptibility)について検討するため、2つの系統のマウス、すなわち肥満になっても糖尿病になりにくいC57BL/6 J (B6) マウスと、肥満になると重症の糖尿病を発症するBTBRマウスを比較した。定量的発現プロファイルを用いて検討し、B6マウスの膵島でBTBRマウスに比べて肥満によって発現が増加する2つのmiRNAsを同定した。肥満により、miRNA 132および212はB6マウス膵島では13倍発現が増加するが、BTBRマウス膵島では3倍しか発現が増加しなかった。膵β細胞でこれらのmiRNAの発現が増加すると、グルコース刺激によるインスリン分泌(GSIS)が促進されるため、この発現増加の違いがBTBRマウスの糖尿病のなりやすさに関わっていると考えられる。これらのmiRNAのターゲット遺伝子を検索したところ、Carnitine Acyl-Carnitine Translocase (CACT)が最も発現が低下する遺伝子であった。CACTは、β酸化のためのlong chain fatty acyl carnitines (LCFAC)のミトコンドリアへの輸送を担っており、ヒトのCACT欠損は低ケトン性低血糖につながる重篤な疾患を引き起こす。siRNAを用いてCACT発現をノックダウンするとGSISが促進され、さらに基質であるLCFACを添加するとその効果が増強する。miRNA 132と212はCACT発現を調節(減少)させることにより、細胞質内のLCFACを増加させ、未知の機序によってインスリン分泌を促進すると考えられる。これらの検討により、脂肪酸がインスリン分泌を調節するメカニズムと、それを調節するmiRNAの役割が示唆された。
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by md345797 | 2012-02-03 06:10 | その他