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脂肪組織のインスリン抵抗性のメカニズム

Mechanistic Insights into Adipose Tissue Insulin Sensitivity

Philipp E. Scherer, University of Texas Southwestern Medical Center at Dallas, USA

Keystone Symposia:Pathogenesis of Diabetes Feb 2, 2012, Santa Fe..

①脂肪組織におけるHIF1αは高脂肪食に伴う肥満の発症に重要な役割を果たしている。HIF1α阻害剤で高脂肪食による肥満・耐糖能障害が改善される。また、DOX誘導性に脂肪細胞特異的にdn-HIF1αを発現させると、高脂肪食による肥満・TG増加が抑制される。
②VEGFによる血管新生は代謝に好影響をもたらす。VEGFのトランスジェニックマウスで血糖・TGが低下し、脂肪肝が改善、WATの褐色化(PGC-1α、UCP1の発現増加)が認められる。VEGFのモノクローナル抗体(mcr84IgG)による阻害は、空腹時インスリン値およびTGの増加をもたらす。ただし、脂肪組織が増殖しすぎたときには、VEGFの中和は逆に代謝に良い影響をもたらす。
③脂肪組織と腫瘍増殖をつなぐ分子として、collagen VIの切断産物であるendotrophinが同定された。ob/obマウスではWATでendotrophinが増加している。MMTV(マウス乳癌ウイルス)プロモーターによりendotrophinを過剰発現させたトランスジェニックマウスは、乳腺の腫瘍成長、転移が増加しており、腫瘍の線維化や血管新生、EMT(Epithelial-mesenchymal transition;上皮間葉移行)が促進されている。
④また、正常な脂肪組織の生存にはPPARγが必要であることを、脂肪細胞特異的なinducible deletion of PPARγによって示した。
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by md345797 | 2012-02-03 06:59 | その他