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脂肪組織のインスリンシグナル伝達障害

Insulin Signaling Dysfunction in Adipose Tissue

Michael P. Czech, University of Massachusetts Medical School

Keystone Symposia:Pathogenesis of Diabetes Feb 2, 2012, Santa Fe.

このグループはsiRNAスクリーニングを用いて、脂肪細胞のインスリンシグナル伝達を負に制御する新規分子の同定を試み、Map4k4を同定した。Map4k4は、脂肪組織に存在する、脂肪細胞、マクロファージ、内皮細胞の3種の細胞に発現し、マクロファージのサイトカイン(IL-1とTNF-α)発現を調節し、脂肪合成を抑制する(Nature, 2009)。内皮細胞特異的Map4k4欠損により内皮細胞の活性化(=マクロファージの脂肪組織への浸潤に必要)が阻害できる。以上より、Map4k4は、脂肪組織の脂肪細胞、マクロファージ、内皮細胞で作用し、脂肪組織の機能不全を促進する因子と言える。

また、脂肪組織マクロファージが本当に脂肪組織機能不全の原因となっているかを検討するため、内臓脂肪組織(VAT)マクロファージに特異的に gene silencingができる方法を検討した。脂肪組織のマクロファージにsiRNAを到達させるため、マクロファージβ-glucan受容体のリガンドであるβ1,3-D-glucanによってカプセル化したsiRNA(glucan-encapsulated siRNA particles: GeRPs)が利用されている(Biochem J, 2011)。この方法でGeRPsを作用させると、ob/obマウスの精巣上脂肪組織(VAT)のマクロファージのほとんどがGeRPsを含むようになる(肝や皮下脂肪組織のマクロファージにはGeRPsは行かない)。これにより、VATマクロファージに特異的なgene targetingが可能となっている。
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by md345797 | 2012-02-03 18:25 | その他