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ヒトmicrobiome研究の枠組み

A framework for human microbiome research.

Human Microbiome Project Consortium.

Nature. 2012 Jun 13;486(7402):215-21.

【まとめ】
ヒトの体には、さまざまな微生物コミュニティとそれらの遺伝子(microbiome)が存在し、ヒトの健康と病気に基本的な役割を果たしている。今回、NIH(米国立衛生研究所)によって設立されたHuman Microbiome Project Consortiumが、metagenome(微生物コミュニティの遺伝子情報)解析プロトコールための集団規模の枠組みを確立した。その結果、high-throughputなmetagenomeデータの作成、処理、解釈のための標準化された方法など、高品質な情報供給源とデータが得られることになった。この研究では、242人の健康な成人集団を対象に、15(男性)または18(女性)の身体部位から最大3回にわたって採取した試料について述べている。これらから、16S ribosomal RNA遺伝子による5,177種の微生物分類プロファイルと、3.5 x 10の12乗塩基のmetagenome塩基配列がこれまでに明らかにされた。並行して、ヒトの体から単離された約800の参照ゲノムの塩基配列 も決定された。これらのデータは、ヒトmicrobiomeの豊富さと多様性を表す最大の情報資源であり、将来の研究のための枠組みを提供すると考えられる。

【論文内容】
米NIHによって設立されたHuman Microbiome Project (HMP) Consortiumは、健康なヒトコホートにおける微生物コミュニティとその宿主であるヒトとの関連についての報告をまとめた。さらに、microbiomeとさまざまな疾患との関連について、microbiome研究の倫理的・社会的重要性についても検討した。本論文では、臨床検体、参照ゲノム、配列決定と遺伝子注釈のプロトコール、方法、解析について報告する。この研究では、2か所の施設(Baylor College of MedicineとWashington University School of Medicine)において、242ドナーから15(男性)または18(女性)の身体部位(気道、皮膚、口腔、腸、膣)から数回にわたって5,298サンプルを採取した。

Megagenomeデータセットを得るために、まず16S rRNA遺伝子配列決定(16S)のプロトコールを評価、決定した。次に、681サンプルを用いてwhole-genome shotgun(WGS)による遺伝子配列決定を行った。これらのデータセットによりヒトmicrobiomeの全体像を得て、遺伝子とOTU(operational taxonomic unit、操作的分類単位)の解析により、分類学的同定を行った。

さらに、これらHMPで得られた腸微生物遺伝子カタログを、他の大規模腸microbiomeプロジェクトであるmetaHITで得られたものと比べたところ、比較的同様の遺伝子カタログが得られていることが分かった。

本研究で得られたカタログは、健康成人におけるヒトmicrobiomeデータとしては最大で最も包括的なものである。このデータの解析により、新たな病原体、遺伝子機能、代謝ネットワーク、そして健康と病気と微生物コミュニティとの関連についての発見が可能になるだろう。
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by md345797 | 2012-07-10 18:04 | その他