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ミトコンドリアダイナミクス(ミトコンドリアの分裂と融合)の疾患における役割

Mitochondrial dynamics-Mitochondrial fission and fusion in human diseases.

Stephen L. Archer, M.D.

N Engl J Med 2013; 369:2236-2251.

【論文内容】
ミトコンドリアは常に融合(fusion)過程により結合し続け、分裂(fission)過程により分割し続ける動的な細胞小器官である。Benda (1898)は、時には球状、時には線状に観察されるこの細胞内小器官を、ギリシア語の「糸」を表すmitosと、「小さい粒」を表すchondrionをつなげて「ミトコンドリア」と命名した。Lewis and Lewis (1914)はその観察により、「ミトコンドリアは顆粒状・桿状・糸状のいずれの形のものも、いつでも別の形になる。いかなる形態のミトコンドリアも、他のミトコンドリアと融合して一本になったり、分裂して数個のミトコンドリアになりうる」と、ミトコンドリアダイナミクスの存在を提唱した。現在ではこのようなミトコンドリアダイナミクスは、共焦点ライブセルイメージングによって詳細に観察することが可能である。

228の核に存在する遺伝子と13のミトコンドリア遺伝子の変異が、ミトコンドリアの単一遺伝子異常によるまれな症候群の原因として知られている。例えば、MELAS症候群(ミトコンドリアのtRNAの変異)やLeigh病(ミトコンドリアにおける酸化的リン酸化に関連する遺伝子異常)などである。しかし、本総説で述べるのは、単一遺伝子変異によって発症する疾患ではなく、ミトコンドリアダイナミクスの障害(分裂と融合の異常)が発症に関連している疾患(特にがん、心血管疾患、神経変性疾患)についてである。近年、ミトコンドリアダイナミクスの分子機構が明らかになり、ミトコンドリアの分裂と融合が細胞生存の本質的な過程に関与していること、それが疾患発症に重要であることが明らかになりつつある。

ミトコンドリアの機能はATP産生だけでなく、①小胞体(endoplasmic reticulum)膜と結合することによるカルシウム代謝調節、②エネルギー需要に対応してミトコンドリア数を調節する細胞傷害の代償、③ミトファジーによる細胞生存の調節、④酸素センサーとしての活性酸素種の生成調節など、さまざまな役割が知られるようになってきた。

ミトコンドリアは分裂によって小さい断片になると、より多くの活性酸素種を産生する能力を発揮し、細胞増殖を促進する。また融合することによって、ミトコンドリアネットワークが形成されると、小胞体との連絡が盛んになる。また、融合によりミトコンドリアマトリックスの中身が拡散すると、変異があるミトコンドリアDNAは希釈されることによってミトコンドリア障害が起きる危険が減少する。

このような分裂と融合をつかさどっているのは、少数のGTPaseである。分裂はDRP1(dynamin-related protein 1)が細胞質からミトコンドリア外膜に移行することによって起こる。移行したDRP1は多量体を形成し、輪のようになってミトコンドリアを締め付けて、分裂させる(図1参照)。また、DRP1はmitochondrial Fis1 (fsisson protein 1 )、MFF (mitochondrial fisson factor)、mitochondrial elongation factor 1などの非GTPase受容体蛋白に結合することにより、外膜に移行することができる。DRP1には2つのリン酸化セリン(serine 616とserine 637)がある。細胞分裂を開始させるcyclin B1-CDK1はserine 616をリン酸化することによりDRP1活性を増加させて、細胞分裂の際のミトコンドリア分裂を起こす。Calcium-calmodulin-dependent kinase (CamK)もserine 616をリン酸化するが、これは細胞内カルシウム濃度の変化とミトコンドリア分裂をつなぐ役割を果たす。Protein kinase Aはserine 637をリン酸化してDRP1活性を低下させ、逆にこれを脱リン酸化するcalcineurin (カルシウム感受性phosphatase)はserine 637脱リン酸化を介してDRP1を活性化させる。このようなkinase/phosphataseの効果が総合されてserne 616/637リン酸化比が決まり、DRP1活性が決定される。さらに、翻訳後調節(MARCH5、SUMO1)によってもDRP1活性が調節されている。なお、分裂を阻害する役割があるのは、DRP1活性とその多量体化を阻害するmitochondrial division inhibitor 1 (mdivi-1)である。

ミトコンドリアの融合には、外膜に存在するmitofusin-1やmitofusin-2および内膜に存在するOPA1(optic atrophy 1)が必要である。Mitofusinは、膜貫通およびC端ドメインによってミトコンドリアに結合し、ホモダイマーまたはヘテロダイマーのアンチパラレルな結合を介して隣り合っているミトコンドリアを融合させる。Mitofusin-2は、小胞体とミトコンドリアの結合、すなわちミトコンドリアのカルシウム取り込みにも重要な役割を果たしている。なお、このようなミトコンドリア分裂と融合は、ミトコンドリアのphospholipase Dによって産生される脂質、特にホスファチジン酸によっても調節されている。

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ミトコンドリアダイナミクスの疾患における役割
1 増殖性、アポトーシス抵抗性の疾患
(1) がん

がんの特徴は、過剰な増殖とアポトーシスに対する抵抗性である。この原因の一つは、酸化的代謝から嫌気性の解糖への代謝の変化(Warburg効果)であり、ミトコンドリアのpyruvate dehydrogenase kinase (PDK)の異常な活性化が、pyruvate dehydrogenaseの阻害と酸化的代謝の抑制と、アポトーシス抵抗性をもたらしていることによる。このようながんにおけるミトコンドリアの機能異常は、治療の標的となりうるものである。ヒトのがんを移植したマウスモデルや実際のがん患者において、pyruvate dehydrogenase活性を回復することによって細胞増殖が抑えられ、アポトーシスが回復してがんの縮小につながることが示されている。このような増殖とアポトーシスのバランス異常にはミトコンドリアの形態異常も関係している。ヒト肺腺癌のミトコンドリアの融合過程が障害され、分裂して断片化に至る過程が促進されていることが分かっている。
細胞分裂時にミトコンドリアが正しく分裂することは(mitotic fission)、分裂後の娘細胞に均等にミトコンドリアが分配されるために重要である。この核分裂とミトコンドリア分裂が協調して起きるための分子機構が最近明らかになりつつある。細胞周期のG1期からS期への移行において、ミトコンドリアは融合しATP産生を増加させる。ミトコンドリア分裂と細胞分裂の協調は、cyclin B1-CDK1が細胞分裂を引き起こすと同時に、DRP1をserine 616リン酸化によって活性化することによって調節されている。他の細胞分裂調節キナーゼであるaurora AはRalAをリン酸化し、それにより細胞分裂とミトコンドリアでのRalBP1蓄積が起きる。RalBP1は、DRP1とcyclin-CDKをミトコンドリアに運ぶ足場となり、ミトコンドリア分裂を促進する。(図2参照)

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がん細胞では、DRP1活性化の翻訳後調節(serine 637に対するserine 616リン酸化の増加)によってミトコンドリア分裂が増加している。さらに、mitofusin-2減少によるミトコンドリア融合の障害が起きており、がんの形質であるミトコンドリアネットワークの断片化を起こしている。ミトコンドリアの断片化は、細胞分裂時のミトコンドリア分裂が促進される、ミトコンドリア内カルシウム波が障害される、カルシウムを介するアポトーシスが起こりにくくなるなどのがんに有利な形質をもたらしている。ヒト肺癌を移植したマウスモデルでsi-DRP1を用いてDRP1の発現を抑制したり、アデノウイルスベクターを用いてmitofusin-2の発現を増加させたりすると、ミトコンドリア融合が促進されることにより、がんの増殖が阻害されアポトーシスが増加し、がんを退縮させることができる。(図3の「ミトコンドリア融合(fusion)促進による治療」=fusogenic therapy)

(2) 肺動脈性肺高血圧(Pulmonary arterial hypertension)
肺高血圧は、血管収縮、炎症、血栓症などによる閉塞性肺動脈疾患であるが、細胞の増殖過剰やアポトーシス障害といった「発癌的な観点」からの原因解明が進んでいる。肺高血圧では、肺動脈平滑筋細胞においてHIF-1α活性化による酸素感知の異常と、ミトコンドリア断片化というミトコンドリアダイナミクスの障害が起きている。これらはがん細胞で起きていることと同様であり、これらはmitofusin-2を介する融合の低下とDRP1を介する分裂の増加、転写調節異常によるHIF-1α活性増加とPGC1α活性低下を伴っている(PGC1αはmitofusin-2の転写coactivatorである)。正常の肺動脈平滑筋細胞においてHIF1α活性を増加させると、DRP1を介するミトコンドリア分裂が起きる。正常酸素下でHIF1αが活性化されると、代謝変化(pyruvate dehydrogenaseの活性低下)とアポトーシス抵抗性が生じて、ミトコンドリアの分裂と融合のバランスが崩れ、肺高血圧に至る。さらにDRP1の翻訳後調節(cyclinB1–CDK1およびCamK依存性のリン酸化)の異常によって、DRP1活性が促進され、ミトコンドリア分裂は増加する。実際、肺高血圧のモデル動物の肺動脈平滑筋細胞では、ミトコンドリアの分裂が起こりやすく融合が起こりにくい(profission and antifusion)状態となっている。

Mitofusin-2は全身の動脈平滑筋細胞において増殖抑制効果を示す遺伝子として知られている。肺高血圧モデルラットの肺動脈平滑筋細胞にin vivoでmitofusin-2を過剰発現させると、細胞増殖が減少してアポトーシスが増加することにより、部分的ではあるが肺高血圧が改善する。このようにミトコンドリア融合を回復することによる疾患改善効果が認められているが、「ミトコンドリア融合を促進すると細胞増殖が阻害されるか」という点は、それを支持しない実験結果もあり、いまだに議論があるところである。

なお、supplementary videoで、正常気道上皮細胞のミトコンドリア断片化は少ない(video 2)が、肺癌細胞では増加しており(video 3)、mdivi-1発現によりミトコンドリア分裂が阻害される(video 4)ことが示されている。同じく、正常の平滑筋細胞でのミトコンドリア断片化は少ないが(video 5)、肺高血圧患者の肺動脈平滑筋細胞では増加しており(video 6)、mdivi-1発現によりミトコンドリア分裂が阻害される(video 7)。このように、ミトコンドリア分裂を阻害することより疾患治療が可能になるかもしれない。

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(3) 動脈管開存症 (Patent Ductus Arteriosus)
新生児の動脈管は、出生後数分以内に、酸素依存性の血管収縮によって閉鎖する。出生後の酸素の増加は酸化的代謝を増加させ、電子伝達系活性を亢進させ、活性酸素種の生成につながる。活性酸素種はミトコンドリアのsuperoxide dismutase 2 (SOD2)によってオキシダントである過酸化水素となり、これが動脈管収縮を開始するためのイオンチャネルと酵素を活性化する。これにより、動脈管の線維増殖が起き、動脈管閉鎖が起きる。最近、この動脈管閉鎖の際の活性酸素感知メカニズムにミトコンドリア分裂が必要であることが分かってきた。酸素増加の5分以内に、動脈管平滑筋細胞でDRP1を介するミトコンドリア分裂が起きる。この時、DRP1を選択的に阻害すると酸素増加による動脈管収縮が抑制される。酸素はcyclinB1–CDK1およびCamKに依存性のDRP1の翻訳後活性化も起こす。動脈管平滑筋細胞でミトコンドリア分裂が進むとpyruvate dehydrogenaseが活性化され、電子伝達系のcomplex 1活性が増加し、オキシダントが増加する。逆にミトコンドリア分裂を阻害すると、活性酸素シグナルが抑制されて酸素によるミトコンドリアからの過酸化水素産生が抑えられる。ただし、ex vivoのヒト動脈管でDRP1を阻害しておくと閉鎖が阻害されるが、実際に見られる動脈管開存症患者でミトコンドリア分裂の障害がその原因となっているかはまだはっきりしていない。

2 神経変性疾患
ニューロンの正しい発生にはDRP1を介するミトコンドリア分裂が不可欠である。神経特異的DRP1欠損マウスは、ミトコンドリアの分布異常とアポトーシスが起きて脳の低形成により周産期に死亡する。DRP1のdominant negative変異(ミトコンドリア分裂の消失と融合過剰)を持った新生児の特徴(筋緊張低下、小頭症、視神経萎縮、突然死)から、ヒトの脳発生においてはDRP1を介するミトコンドリア分裂が必要であることが分かる。成人の神経変性疾患においては、分裂の増加と融合の障害によるミトコンドリアの断片化が起きている。

(1) 家族性パーキンソニズム
パーキンソン病は、黒質のドーパミンニューロンの細胞死によって震戦、硬直、運動緩慢が起きる神経変性疾患である。その中のまれな病態として、PINK1とparkinの変異による常染色体劣性遺伝の若年性パーキンソン病がある。PINK1はセリンスレオニンキナーゼであり、ストレスによるミトコンドリア脱分極やアポトーシス、ミトコンドリア酸化ストレスなどからニューロンを保護する役割がある。ParkinはPINK1によってリン酸化されると、脱分極したミトコンドリアをミトコンドリアのオートファジー(ミトファジ―:mitophagy)へと誘導する作用がある。ParkinはユビキチンE3りガーゼであり、異常となった蛋白(DRP1を含む)をユビキチン化して分解することによりニューロンを保護し、さらに機能異常に陥ったミトコンドリアをユビキチン化してミトファジーによって除去させる役割を担っている。ニューロン特異的にPINK1またはparkinを欠損させると、DRP1の蓄積によってミトコンドリア分裂が過剰となり、酸化ストレス増加とATP産生低下が起きる。これらのニューロンの異常は、mdivi-1の過剰発現によりミトコンドリア分裂を阻害したり、mitofusin-2またはOPA1の過剰発現によって融合を促進したりすることによって回復する。PINK1とparkinはミトファジ―も調節している。ミトコンドリアダイナミクスとミトファジ―の関連は不明な点が多いが、オートファジックマシーナリーはミトコンドリアをリソソームに運搬し、ミトコンドリア断片化を起こす役割を持っている。生理的には、ミトコンドリア分裂とミトファジ―は、障害を受けて脱分極したミトコンドリアを除去するのに有用な働きをしている。しかし、この過程が過剰になりすぎると細胞死をもたらす。Rotenoneとparaquat (いずれも殺虫剤)は電子伝達系complex1の阻害剤であり、パーキンソニズムを促進するが、これらはミトコンドリアの断片化を起こす。これらの薬物はparkinを介してミトコンドリア脱分極を起こし、ミトコンドリアを断片化させ、プロテオソーム経路により蛋白を分解させる。

(2) Alzheimer病
Alzheimer病の最も一般的な原因は、アミロイドプラークと神経原線維濃縮体の蓄積である。β-アミロイドが神経細胞のNOを増加させ、そのためにS-ニトロシル化された活性化DRP1が増加し、ミトコンドリア分裂の増加と神経細胞の障害をきたすという報告があるが、これが実際に疾患発症の原因となっているのかは不明。

(3) Huntington病
Huntington病は舞踏病アテトーゼ、認知症、早期死亡などを起こす常染色体優性遺伝性疾患であり、hutingtin蛋白中のポリグルタミンをコードするCAGトリヌクレオチド配列の増加によって起きることが知られている。このポリグルタミンの蓄積により蛋白の折り畳み異常が起こり、蛋白結合の異常が促進される。変異huntingtingはDRP1に結合して活性化させミトコンドリア分裂を増加させることによって、ニューロンのアポトーシス感受性を亢進させる。Huntingtin遺伝子中のCAG配列の増加は、ミトコンドリア分裂の増加と関連していることが分かっている。ポリグルタミンを含むhuntingtin蛋白を持つHuntington病モデル細胞またはモデル線虫でDRP1を阻害したり、mitofusin-2を増加させたりすると、ミトコンドリア融合が回復し、細胞死を抑制することができる。

(4) 筋萎縮性側索硬化症(ALS)
ALSのうちまれな遺伝型はsuperoxide dismutase 1の変異によるものであり、DRP1によるミトコンドリア分裂が促進されミトコンドリアの軸索輸送が阻害されることで神経細胞死に至るというものである。ミトコンドリアマトリックスに存在するSIRT3とPGC-1αは過剰な分裂を防ぎ、神経細胞死を抑制する役割を担っている。

3 ニューロパチー
(1) Charcot-Marie-Tooth病

Charcot-Marie-Tooth病は腓腹筋萎縮と足奇形により歩行の異常をきたす遺伝的末梢神経障害である。この疾患の2A型(軸索サブタイプ)はmitofusin-2の融合をつかさどるGTPaseドメインの常染色体優性ミスセンス変異が原因である。このmitofusin-2変異によってミトコンドリアのシナプスへの移動が制限される。

(2) 視神経萎縮
OPA1の変異は、常染色体優性遺伝の視神経萎縮を起こす。この患者は進行性の視力低下から失明に至る。OPA1を介するミトコンドリア融合が欠損しているため、ミトコンドリアが分裂したままになり、網膜ガングリオン細胞がアポトーシスを起こしやすく、これが視神経変性につながる。よく知られている変異はOPA1のGTPaseドメインおよび3’端で起きており、それぞれdominant negetive型およびハプロ欠損サブタイプを惹き起こす。Mitofusin-2の変異もミトコンドリア融合の障害によって視神経萎縮を起こしうる。

4 心疾患と代謝性疾患
(1) 糖尿病

マウスの1型糖尿病モデル、ヒトの肥満2型糖尿病で、ミトコンドリア融合障害が起きている。Mitofusin-2を肝臓で欠損させると、活性酸素種の増加を介してインスリンシグナル伝達の障害が起き、耐糖能低下が起きる。また膵β細胞特異的にOPA1を欠損させたマウスは、インスリン分泌障害によって高血糖に至る。糖尿病はミトコンドリア融合障害を伴うが、単にミトコンドリア断片化を阻害すれば糖尿病が回復するというわけではない(ミトコンドリアの断片化はミトファジ―にとっては必要なためであろう)。OPA1が欠損すると、ミトコンドリアの非対称な分裂が起き、正常ミトコンドリアと脱分極した機能不全のミトコンドリアに分かれる。しかしこのような機能不全ミトコンドリアを切り取るミトコンドリア分裂は、異常ミトコンドリアをミトファジ―で分解するためには有用でもある。実際にOPA1を過剰発現させて融合を促進しすぎると、ミトファジ―が阻害されて異常ミトコンドリアが増加し、結果的にインスリン分泌障害を起こすことが報告されている。

(2) 虚血再灌流障害
一度心停止すると、もし蘇生したとしても虚血再灌流傷害のために死亡する確率は上昇する。虚血再灌流傷害モデル動物において腎尿細管細胞でミトコンドリア分裂が起きているが、mdivi-1はこれを防止する役割を果たしている。心停止の間、ミトコンドリアのDRP1はcalcineurinによるDRP1 serine637の脱リン酸化を介して活性化されている。これによって増加したミトコンドリア分裂によてい、活性酸素種産生が増加し、カルシウムが増加して拡張期心筋弛緩が障害される。この時、DRP1の阻害が治療効果を発揮する。

(3) 心筋症
心筋特異的にmitofusin-1と2の2つのアイソフォームを両方とも欠損させたコンディショナルノックアウトマウスを作製したところ、ミトコンドリア形態や呼吸の異常と心筋収縮障害が起きて、心不全によって死亡する。逆に片方だけのアイソフォームの欠損は、虚血再灌流傷害や活性酸素種に対して心保護作用を発揮する。Mitofusin-2のみを心筋特異的に欠損させると、ミトコンドリア機能異常と過形成が起き、左室機能はやや減少するし、Mitofusin-1のみを心筋特異的に欠損させると心機能は正常で、活性酸素種による心筋障害が起きにくい形質となる。
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by md345797 | 2013-12-24 07:08 | その他