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2012年 02月 02日 ( 15 )

白色脂肪組織における褐色脂肪細胞の消失は、加齢とインスリン抵抗性を結びつける新たなメカニズムである

Loss of brown adipocytes in white adipose tissue is a novel molecular link between aging and associated insulin resistance

Nicole H Rogers, Alejandro Landa, Roy G Smith.
Metabolism and Aging, The Scripps Research Institute.

Keystone Symposia:Pathogenesis of Diabetes Feb 1, 2012 (Poster 340)

加齢はインスリン抵抗性を亢進させるが、その分子メカニズムは不明である。腹腔内白色脂肪組織(WAT)の炎症性変化の重要性については知られているが、加齢に伴う皮下白色脂肪組織(sWAT)の変化についてはあまり分かっていない。sWATはエネルギー消費を行う褐色脂肪細胞(UCP1+)の亜集団を含むという特徴がある。

この研究では、加齢がC57Bl/6マウスの鼠径部sWATにどのような影響を与えるかについて検討した。RNAシークエンシングによって、若年(6週齢)と中年(1年齢)のマウスのsWATを比較し、加齢により褐色脂肪細胞に特異的な遺伝子(ucp1, cidea, cox7a1)の発現が減少することを明らかにした。定量的PCRおよび免疫染色によって、sWATの褐色様部位(脂肪滴が複眼様で、UCP1が発現)が3か月齢まで増加し、その後大きく消失することを示した。この褐色様部位は、3か月から12か月の間に減少し、白色脂肪の形態(脂肪滴が単眼様で、細胞質が非常に小さく、UCP1発現がない)が優位を示すようになる。この「褐色化」の消失は、sWATに特徴的であり、その結果、3か月齢のマウスのsWATは精巣上WATに比べて1300倍ucp1を発現しているが6か月齢では6倍でしかない。

1年間カロリー制限をした22.7gのマウスのsWATと、同年齢のカロリー制限をしなかった40.5gのマウスおよび3か月齢の22.7gの体重同一マウスを比較すると、カロリー制限によって体重増加を妨げても加齢によるucp1の大きい消失はほとんど減弱されなかった(カロリー制限は、加齢に伴う褐色化の消失に対しては役に立たなかった)。加齢により、褐色脂肪マーカー遺伝子発現の減少に加え、白色脂肪マーカー遺伝子の発現増加(lepが60倍、oxtr が270倍、 fgf13 が67倍、lipf が40倍)が認められた。

以上の結果から、(1)sWATにおける褐色脂肪細胞の消失は、新規加齢プログラムの一つであることが明らかになり、(2)WATの褐色化を調節するメカニズムを理解するモデルが得られた。これらは、全身の機能低下に先行する変化を示し、加齢に伴う2型糖尿病の病態理解に役立つと思われる。
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by md345797 | 2012-02-02 16:18 | その他

システム生物学的アプローチによる、メタボリックシンドロームモデルマウスの抗糖尿病治療の効果の解明

Systems biology approach reveals the effects of anti-diabetic treatments in a mouse model of metabolic syndrome

Marijana Radonjic, Annelies J.H.M. Stroeve, Varshna Goelela, Lars Verschuren, Suzan Wopereis, Carina Rubingh-de Jong, Marjan van Erk, Peter Y. Wielinga, Ben van Ommen, Nicole Cnubben and Robert Kleemann
Earth Environmental and Life Sciences, The Netherlands

Keystone Symposia:Pathogenesis of Diabetes Feb 1, 2012 (Poster 334)


2型糖尿病治療に対しては、生活様式の改善とともに、何種類かの経口糖尿病薬(OAD)による治療を行う。この研究ではLDLR-/-マウスを対象にもっともよく用いられるOADクラス(メトフォルミン、SU剤、チアゾリジンン系薬剤、DPP4阻害薬など)に認められる2型糖尿病に対する効果と副作用について、システム生物学を用いてそのメカニズムを検討した。このマウスモデルは、高脂肪食を9週間負荷すると、メタボリックシンドロームを含むprediabetesの様相を呈する。9週間以降にOAD治療群と正常食にスイッチした群(生活様式介入群)に分け、さらに7週間飼育した。

肝が薬物代謝の中心的な役割を果たすので、高脂肪食と11の高糖尿病治療が、肝のゲノムワイドtranscriptome (Illumina microarray platform)および肝のmetabolome (GS-MS, oxylipids and lipidomics platforms)および血漿proteomeと血漿metabolome (GC-MS)を解析した。高度なシステム生物学的アプローチにより、これらのパラメーターは2型糖尿病の代理マーカー(空腹時血糖と尿糖)および糖尿病エンドポイント合併症(動脈硬化、肝内脂肪蓄積)に関連することが分かった。このアプローチによって、糖尿病の状態、肝や血漿での分子メカニズムごとに異なる介入の効果が明らかになった。
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by md345797 | 2012-02-02 16:17 | その他

GPR21の欠損は高脂肪食負荷肥満マウスのインスリン感受性を亢進させる

Deletion of G protein coupled receptor 21 improves insulin sensitivity in diet-induced obese mice.

Olivia Osborn, Da Young Oh, Lucinda Thiede, Joanne McNelis, Hide Morinaga, Saswata Talukdar, Min Lu, PingPing Li, Sarah Nalbandian, Manuel Sanchez-Alavez, John Hadcock, Tamas Bartfai, Jerrold M Olefsky University of California San Diego.

Keystone Symposia:Pathogenesis of Diabetes Feb 1, 2012 (Poster 324)

GPR21は、脳とマクロファージに多く発現するオーファンG蛋白共役受容体である。
脂肪組織では、肥満に伴ってGPR21が主に間質血管細胞に発現する。全身のGPR21の欠損は、高脂肪食負荷時のインスリン感受性と耐糖能を改善し、エネルギー消費を増加させる。さらに、GPR21欠損マウスは高インスリン正常血糖クランプによる肝と筋肉のインスリン感受性が改善している。肝と脂肪における炎症性遺伝子発現は低下、抗炎症遺伝子の発現は増加していた。

培養脂肪細胞からのconditioned mediumを腹腔内マクロファージの遊走を刺激するのに用いるin vitroでの走化性の検討を行ったところ、GPR21の欠損によりマクロファージの遊走が減少した。これは、in vivoでのマクロファージトラッキングでも確認された。

インスリン感受性に対する、マクロファージでのGPR21発現の影響を検討するため、造血細胞特異的GPR21欠損マウス(BMT-GPR21-/-)とコントロール(BMT-WT)を比較した。高脂肪食による肥満BMT-GPR21-/-マウスは、耐糖能とインスリン感受性がコントロールに比べて改善していた。このマウスは、全身の炎症マーカーの減少と肝のインスリン感受性の改善が認められた。

In vivoで、視床下部でのGPR21の生理的役割を検討するため、C57BL6マウス視床下部にlenti-GPR21ベクターを直接注入して発現をノックダウンしたところ、体重が減少し、炎症性マーカーの変化は伴わずに糖代謝の中程度の改善が認められた。

結論として、(1)全身のGPR21の欠損はインスリン感受性亢進と組織炎症の減少をもたらす、(2)マクロファージでのGPR21欠損は、マクロファージの走化性を抑制し、組織炎症を減少させることにより、インスリン感受性を増強する、(3)視床下部でのGPR21発現のノックダウンは体重を減少させる。視床下部またはマクロファージでのGPR21発現の減少は、インスリン感受性改善に役立つため、GPR21は肥満に伴うインスリン抵抗性の治療の新規治療ターゲットになりうると考えられた。
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by md345797 | 2012-02-02 16:16 | その他

急性運動により、高脂肪食負荷ラット脂肪組織でマクロファージのM2 activationが促進される

Acute Exercise Induces Macrophage Polarization Toward M2 Activation in adipose tissue of DIO rats

Oliveira, A.G., Araujo, T.G, Carvalho, B.M., Rocha, G.Z., Bagarolli, R.A., Guadagnini, D, Saad, M.J.A. Department of Internal Medicine, State University of Campinas, Campinas, SP, Brazil.

Keystone Symposia:Pathogenesis of Diabetes Feb 1, 2012 (Poster 323)

白色脂肪組織(WAT)へのマクロファージ浸潤は、炎症性サイトカインの産生源として、また肥満のインスリン抵抗性進行の主要な要因として重要である。マクロファージは、肥満の状態では、炎症性のclassical activation profileを持つM1として、一方正常の状態では、免疫抑制因子(IL-10など)を放出するalternative activationを受けたM2として存在する。運動はWATの炎症性の状態を抑制すると考えられているが、運動がマクロファージの状態にどう影響するかは分かっていない。この研究では、急性の水泳運動が、脂肪組織の間質血管分画(SVF)および脂肪細胞の炎症性状態とインスリンシグナル伝達にどのように影響するかを検討した。運動はSVFと脂肪細胞の両者で、TLR4/MyD88の結合を減少させた。また、運動は主にSVFにおける炎症性の状態を抑制し、WATへのマクロファージ浸潤を変化させることなく、TNF-α、IL-β、MCP-1の発現を減少、IL-10の発現を増加させた。運動させた動物は血中LPSとTNF-αが減少し、IL-10が増加した。これらの動物では、SVFと脂肪細胞の両者で、インスリンによるIR、IRS-1、Aktのリン酸化が亢進していた。さらに、高脂肪食負荷肥満ラットを運動させると、炎症性サイトカインの抑制が起こるだけでなく、抗炎症サイトカインの分泌が増加した。これらの変化は、運動がマクロファージのM1からM2への形質転換を促進し、それによって高脂肪食負荷ラットのWATでのインスリンシグナル伝達が運動によって改善したことを示している。以上の結果は、運動とWATでの炎症・インスリン抵抗性改善を結び付けるメカニズムの理解に役立つと思われる。
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by md345797 | 2012-02-02 16:14 | その他

糖尿病の新規メカニズムのシステム生物学的アプローチによる理解

A systems approach to discern novel mechanisms in diabetes: Integrating omics data to understand causal protein and transcriptional networks that contribute to the pathogenesis of diabetes.

Niven R Narain, Arleide Lee, Shiuli Agarwa, Vivek K. Vishnudas, Min Du, Shen Luan , Slava Akmaev, John Caprice, Iya Khalil , Colin Hill, Rangaprasad Saranagarajan
Berg Biosystems.

Keystone Symposia:Pathogenesis of Diabetes Feb 1, 2012 (Poster 316)

このグループは、脂肪細胞・骨格筋細胞・肝細胞・血管平滑筋細胞・心筋細胞・内皮細胞に対するストレスや摂動(stressors and perturbation)の組み合わせととらえ、さまざまな要因をモデリングすることで糖尿病を理解する新しいアプローチを行った。このモデリング下で細胞間コミュニケーションに関するいくつかの実験を行い、分泌蛋白と細胞蛋白のproteomicsデータを収集した。各細胞モデルからのproteomicおよびtranscriptionalデータをAIを用いたデータマイニングプラットフォームで統合し、Bayesianモデルに基づいた因果関係のネットワークを作製した。正常と摂動を受けたネットワークを比較することによって、正常の状態と疾患を区別するprotein およびtranscriptionalネットワークのパターンを得ることができる。さらに、因果関係のネットワークのシミュレーションによって、活性のノードと相互作用のエッジの関係を正しく理解することができる。最も有意なノードをノックダウンまたは過剰発現実験と糖尿病特異的な機能的アッセイを用いて検証することにより、糖尿病の病態生理の理解に重要な新規メカニズムを確認できる。このディスカバリープラットフォームは、創薬のためのメカニズム理解に役立つと考えられる。
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by md345797 | 2012-02-02 16:13 | その他

肥満2型糖尿病成人における血清chemerin濃度の生活様式改善の影響

Effect of lifestyle modification on serum chemerin concentration in overweight and obese adults with type 2 diabetes

Moonsuk Nam, So Hun Kim, Seung Hwan Lee, Justin Y. Jeon, Seung Youn Lee
Inha University School of Medicine, Incheon, Korea

Keystone Symposia:Pathogenesis of Diabetes Feb 1, 2012 (Poster 314)

Chemerinは最近同定されたadipokineで、肥満・インスリン抵抗性・メタボリックシンドロームのリスク、炎症に関連があると考えられている。この研究では、肥満2型糖尿病の成人に対する3か月の生活様式改善への介入の後、血清chemerin値に有意な変化が認められるかどうかを検討した。35名の肥満2型糖尿病患者をランダムに強化生活様式改善グループ(週3回の運動)と通常ケアグループに割り付け、3か月観察した。16名がそれぞれのグループでの介入を終了し、強化生活様式改善グループで、BMI・ウエスト径・中性脂肪・γGTP・HbA1c・空腹時血糖・食後2時間血糖・HOMA-β・内臓および皮下脂肪面積・総体脂肪が減少し、VO2 maxが増加した。3か月後の血清chemerinは強化グル―プで有意に減少を認め、3か月の血清chemerin値の変化は、体脂肪・hsCRP・lipocalinの変化に相関した。これらの結果はより大きな集団で検討され、臨床的な有用性が理解されるべきであろう。
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by md345797 | 2012-02-02 16:07 | その他

インスリン欠乏およびインスリン抵抗性マウスでの、新規インスリン受容体アゴニストペプチドの効果

Novel Insulin Receptor Agonist Peptides with Differing Effects in Insulin-Deficient versus Insulin-Resistant Mice

Julie S. Moyers, Chen Zhang, Angela M. Siesky, et al.
Lilly Research Laboratories, Eli Lilly and Company

Keystone Symposia:Pathogenesis of Diabetes Feb 1, 2012 (Poster 311)

このグループは、インスリン受容体(IR)の強力な選択的アゴニストであるinsulin mimetic (IM)peptidesを作製した。ヒトIRを過剰発現した293HEK cells細胞において、IM-1とIM-2はIRのインスリンと比べて長時間チロシンリン酸化を引き起こした。293-HIR細胞を24時間刺激後、IM-1は細胞表面の125I-インスリン結合を減少させた。これはIM-1がインスリン受容体の内在化(internalization)および欠乏を起こしたためと考えられた。内因性にIRを発現するH4IIE細胞(ラット肝癌細胞)をIM-1で24時間培養すると、IRのmRNAには変化がなく、蛋白の減少が認められた、In streptozotocin投与糖尿病ラットに、100 nmol/kg IM-1 および IM-2を投与すると、急性に血糖低下が起こり、毎日の投与で7日間効果が持続した。さらに、インスリン抵抗性糖尿病ob/obマウスにIM-1およびIM-2を投与したところ、急性の血糖上昇が認められた。IM-2を6日間毎日投与すると、ob/obマウスの肝でのIRがインスリン投与したコントロールに比べて80%減少したのに伴い、高血糖を示した。このように、insulin mimetic peptidesは、内因性インスリン分泌低下・正常インスリン感受性の糖尿病モデルでは血糖を低下させるが、インスリン抵抗性のため高インスリン血症をきたすob/obマウスでは、細胞で認められたようなIR蛋白量の低下に伴って、高血糖をきたすことが分かった。
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by md345797 | 2012-02-02 16:06 | その他

中枢神経系、肝、膵β細胞のインスリン抵抗性治療のための新規薬剤ターゲットの同定

Identification of New Drug Targets to Treat Insulin Resistance in the CNS, Liver, and Pancreatic Beta-Cells

Domenico Accili, Columbia University, USA

Keystone Symposia:Pathogenesis of Diabetes Feb 1, 2012, Santa Fe.

転写因子FoxO1は様々なインスリン作用に役立っているが、このグループではFoxO1の3つのコンディショナルノックアウトマウスによって、新規薬剤ターゲットを同定することを試みた。

①視床下部AgRPニューロン特異的FoxO1欠損マウス
AgRPニューロンは摂食開始に重要な役割を果たしているが、このニューロン特異的にFoxO1を欠損させると、摂食が減少しインスリン・レプチン感受性が増加する。さらに、発現プロファイリングを用いてFoxO1のターゲットがGpr17であることを同定し、この抑制が摂食を抑制することを明らかにした。このFoxO1-Gpr17経路を阻害する薬剤があれば肥満の治療に役立つと考えられる。

②肝特異的FoxO1欠損マウス
肝でFoxO1を欠損させると、肝および血漿TGが増加する。この異常は、胆汁酸(BA)のプロファイルの変化(12α-hydroxylated BAsとその合成酵素Cyp8b1の欠損)を伴っており、BAが核内受容体FXRを活性化しTGを低下させる能力が障害されているためと考えられた。そのため、BA代謝の12α-hydroxylated産物を生成することが、肝でのインスリン抵抗性や脂質代謝異常の改善につながりうると考えられる。

③β細胞特異的FoxO1欠損マウス
成熟β細胞特異的にFoxO1を欠損させると、β細胞消失とα細胞増加が促進され,
2型糖尿病で見られるような低インスリン・高グルカゴン血症と高血糖が起きる。このβ細胞消失は、β細胞のアポトーシスによるのではなく、β細胞identityの喪失による(Neurogenin3を発現する内分泌前駆細胞がα、δ、Pp細胞にtransdifferentiateする)ためと考えられた。Wntシグナルの再活性化も、このβ細胞脱分化(dedifferentiation)の過程に重要な役割を果たしていると思われた。これらの結果から、FoxO1はβ細胞identityの維持と脱分化抑制に必要であり、Wntシグナルの抑制がβ細胞消失を抑制する治療につながることが示された。
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by md345797 | 2012-02-02 16:04 | その他

FGF受容体1cシグナルの調節を介した代謝作用

Metabolic Actions through Modulation of FGF Receptor 1c Signaling

Paul Emmerson, Eli Lilly and Company, USA

Keystone Symposia:Pathogenesis of Diabetes Feb 1, 2012, Santa Fe.

FGF21はFGF受容体- βKlotho複合体(FGFR1c / βKlotho)を介して、代謝改善作用を発揮する。しかし、逆に抗FGFR1c抗体IMC-A1 によってFGFR1cシグナル伝達を減弱させると摂食と体重が減少することが分かっており、受容体シグナルの減弱も代謝に好影響を及ぼすとされている (Am J Physiol, 2007)。このように、FGFR1cシグナルの活性化も阻害も代謝改善につながると考えられている。

IMC-A1をFGF21欠損マウスまたは野生型マウスに投与しても、摂食・体重に与える影響は同等であった。高脂肪食負荷マウスにIMC-A1とFGF21を同時に投与しても、FGF21の代謝改善効果は減弱せず、IMC-A1の摂食減少効果も障害されなかったが、これらの同時投与は、体重減少に相加的に作用した。

また、内因性にFGFR1cを発現している3T3-L1脂肪細胞またはN1E-115(神経芽細胞腫)細胞、およびβKlothoを過剰発現した3T3-L1細胞にIMC-A1とFGF21を添加した。3T3-L1細胞では、IMC-A1によりERKリン酸化を認めたのに対し、N1E-115細胞ではIMC-A1はFGF2刺激によるERKリン酸化を低下させた。すなわち、IMC-A1にはアゴニスト/アンタゴニストの2つの作用があることが分かった。このIMC-A1の作用は、βKlotho依存性であった。
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by md345797 | 2012-02-02 16:03 | その他

次世代インスリンアナログの作製

Engineering of Next Generation Insulin Analogues

Thomas Kjeldsen, Novo Nordisk, Denmark

Keystone Symposia:Pathogenesis of Diabetes Feb 1, 2012, Santa Fe.

このグループは、次世代インスリンアナログの一つのアプローチとして、肝臓特異的なインスリンアナログの作製について報告している。インスリン受容体(IR)には2つのアイソフォーム(AとB)が存在する。このアイソフォームの発現パターンは、組織特異的である。筋肉・脂肪・腎臓および心臓には両方のアイソフォームが存在するが、肝臓には主にIR-Bが発現し、脳と胎児組織には主にIR-Aが認められる。IR-Bを標的とするインスリンを作製すれば、肝臓特異性を持つことになる。インスリンのB25とB27は、IRのBアイソフォームと結合しやすい性質を担っており、これらの部位の置換によって、AアイソフォームよりBアイソフォームに4倍結合しやすいインスリンアナログを作製することができる。
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by md345797 | 2012-02-02 16:01 | その他