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カテゴリ:その他( 90 )

TNFαは正常な脂肪組織の増殖に必要である

Tumor Necrosis Factor-α is Essential for Healthy Adipose Tissue Expansion

Ingrid Wernstedt Asterholm, Qiong Wang, Philipp E. Scherer
Touchstone Diabetes Center, Department of Internal Medicine, University of Texas Southwestern Medical Center

Keystone Symposia:Pathogenesis of Diabetes Feb 2, 2012 (Poster 431)

肥満の脂肪組織とインスリン抵抗性患者は、炎症の増加と細胞外マトリックス(ECM)の構成の過剰および変化が特徴である。健康な脂肪組織の増殖には、正常なECMの調節が必要である。これにおけるTNF-αの役割について検討した。TNF-αの増加は肥満とインスリン抵抗性に関与しているが、TNF-αが欠損すると傷に対する創傷治癒が起こらなくなってしまう。そのためTNF-αは、ECMのリモデリングに重要な役割を果たしていると考えられるが、これが脂肪組織増殖に関わっているかは分かっていない。

さらにこのグループは、脂肪細胞特異的にdominant-negative TNF-αを発現するトランスジェニックマウスを作製した。このモデルでは、全身のノックアウトと異なり、脂肪組織におけるTNF-αの役割を検討することができる。dnTNFマウスは、adpionectinがベースラインで上昇しており、高脂肪食またはob/obマウスとの交配を行っても体重増加が少なく、脂肪量は低下していた。一方でGTTでの耐糖能の低下と脂肪肝の増加を伴い、脂肪組織の線維化が亢進していた。興味深いことに、皮下脂肪において、いくつかのM2-typeマクロファージマーカー、(collagen isoforms、 matrix metalloproteinases、 lysyl oxidase)の発現増加が認められた。このマウスモデルは生理的なECMリモデリングの障害を示しており、健康な脂肪細胞の増殖にはTNF‐αが不可欠であることを示している。
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by md345797 | 2012-02-03 06:16 | その他

肥満のヒトにおけるレスベラトロール30日間投与のエネルギー代謝に対する効果

The effects of 30 days of resveratrol supplementation on energy metabolism and metabolic profile in obese humans

S.Timmers, E. Konings, L. Bilet, R.H. Houtkooper, T. van de Weijer, G.H. Goossens, J. Hoeks, S. van der Krieken, D. Ryu, S. Kersten, E. Moonen-Kornips, M.K.C. Hesselink, I Kunz, V.B. Schrauwen-Hinderling, E. Blaak, J. Auwerx, P. Schrauwen. Maastricht University Medical Center, Maastricht, The Netherlands

Keystone Symposia:Pathogenesis of Diabetes Feb 2, 2012 (Poster 422)

Resveratrolは、少なくとも肥満動物モデルにおいて、エネルギー代謝とミトコンドリア機能に大きく影響し、カロリー制限を模倣する作用が認められる。この研究では、30日間の二重盲検クロスオーバー試験により、健康な肥満男性を対象とし、resveratrol (150 mg/day)とプラセボの投与とそれによる代謝恒常性およびミトコンドリア機能への影響について検討した。Resveratrol投与は、睡眠時および安静時の代謝率を低下させ(カロリー制限の模倣効果と考えられる)、血中グルコース、インスリン、中性脂肪、ALT、炎症性マーカーも低下させた。収縮期血圧、HOMA indexも改善した。食後の状態で、脂肪組織の脂肪融解と血漿脂肪酸・グリセロール濃度は低下した。MRS(1H-MR sectra)では、肝臓脂肪含量が有意に減少した。骨格筋生検のマイクロアレイ解析により、電子伝達系および酸化的リン酸化遺伝子がresveratrol群で発現が増加しており、これはマウスモデルで見られたのと同様の効果であった。骨格筋生検の結果でも筋肉内脂肪含量が改善していた。さらに、ヒトに対するresveratrol投与でもAMPK活性化とその結果起こるSIRT1およびPGC-1α発現の増加が認められた。結論として、30日のresveratrol投与は代謝プロファイルに好影響をもたらすことが示された。
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by md345797 | 2012-02-03 06:15 | その他

肝特異的HDAC3欠損マウスにおける脂肪肝とインスリン抵抗性の解離

Dissociation of Fatty Liver and Insulin Resistance in Mice Lacking Hepatic HDAC3.

Zheng Sun, Russell Miller, Rexford S. Ahima, Morris J. Birnbaum, and Mitchell A. Lazar . University of Pennsylvania

Keystone Symposia:Pathogenesis of Diabetes Feb 2, 2012 (Poster 417)

2型糖尿病に伴う脂肪肝は、肝のインスリン抵抗性の原因となる。肝特異的なhistone deacetylase 3 (HDAC3)欠損マウスは、脂肪合成の亢進のため高度な脂肪肝をきたす。このマウスに高脂肪食を負荷すると、HDAC3欠損の肝臓の中性脂肪含量はさらに増加する。肝HDAC3欠損マウスは野生型マウスと体重に有意差はなく、高脂肪食を負荷した場合の体重増加も同等である。しかし、このマウスでは驚くべきことに脂肪肝にも関わらず、正常食においても高脂肪食においてもインスリン感受性は亢進していた。さらに、肝のインスリンシグナル伝達は、脂質の著明な蓄積にもかかわらず変化していなかった。またHDAC3欠損肝細胞においては糖産生が減少していたが、糖新生酵素の変化はなかった。以上の結果から、HDAC3による肝の脂肪蓄積は代謝中間産物を脂肪合成および脂肪滴形成に向かわせること(lipid sequestration)によって、糖産生を低下させ、インスリン抵抗性を改善していると考えられた。
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by md345797 | 2012-02-03 06:14 | その他

2型糖尿病、肥満、筋疾患のための小分子AMPK活性化薬の開発

Development of Small Molecule AMPK Activators for Type 2 Diabetes, Obesity and Muscle Diseases

Tian-Qiang Sun, et al. Rigel Pharmaceuticals, Inc.

Keystone Symposia:Pathogenesis of Diabetes Feb 2, 2012 (Poster 416)

運動において、AMPKの活性化は重要であり、グルコース取り込み、脂肪酸β酸化、ミトコンドリア生合成の亢進を引き起こす。このグループは、in vitroで肝・筋肉・脂肪細胞においてAMPKを強力に活性化する小分子化合物を同定した。これらの分子は、グリコーゲン・中性脂肪含量を低下させ、GLUT4のtranslocationとグルコース取り込みを促進し、オートファジーマーカー(ULK1やRaptor)のリン酸化を増加させた。これらの化合物は、1日1回の経口投与で効果があり、マウスの肝・骨格筋でAMPKの活性化が見られた。15mg/kgで4週間の投与で特に副作用は認めず、心臓にもグリコーゲン蓄積は認められなかった。db/dbや高脂肪食負荷マウスのような糖尿病モデルマウスに投与すると、GTTでのインスリン感受性が亢進し、空腹時血糖およびインスリン値が低下した。また、内臓脂肪面積が減少した。さらにこれらの化合物はマウスの筋肉耐性も改善した。この小分子化合物は2型糖尿病治療と筋肉の耐性改善に有用であると考えられた。
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by md345797 | 2012-02-03 06:13 | その他

FGF21のターゲットとなるバイオマーカーの発見および認証のための統合的「Omics」アプローチ

An Integrated “Omics” Approach to Discover and Validate FGF21 Target Engagement Biomarkers

Sandra C. Souza, et al.
Merck Research Laboratories.

Keystone Symposia:Pathogenesis of Diabetes Feb 2, 2012 (Poster 409)

FGF21は2型糖尿病治療薬の候補であるため、その効果のバイオマーカーが求められている。このグループでは、脂肪細胞を用いてphosphoproteomicプロファイリングおよび、FGF21投与後のマウスの脂肪組織のRNAプロファイリングを行った。Phosphoprofiling 分析により、16のリン酸化タンパクがFGF21刺激した3T3-L1脂肪細胞で2.4倍以上にリン酸化が増加していた。高脂肪食負荷マウスおよびdb/dbマウスから単離した白色脂肪組織のAffymetrixマイクロアレイ解析により、少なくとも25のRNA転写産物と12の分泌蛋白がFGF21投与により1.5倍以上に上昇していることが分かった。

この結果を検証するため、正常のC57Bl6マウスにPEG-FGF21を0.8-2.5 mg/kgの用量で15分、24時間、 48時間投与した。24および48時間投与により、用量依存性にインスリン値が低下した。PEG-FGF21投与は白色脂肪組織でFRS2aとErk1/2のリン酸化を増加させた。さらに、FGF21によっていくつかの遺伝子(Fam110c, Dfna5, Fabp5, Spry4, Mtap9, Nav3, Dusp4)が2.5倍以上に増加、Kcne1I, Hyal1, Prodhが2倍以上減少した。mRNA発現データと同様、PEG-FGF21投与により、用量依存性に血漿CCL11の増加とIL1raの減少が認められた。このような「omics」アプローチは、FGF21のバイオマーカー同定のため、ヒトの臨床検討でも有用であろう。
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by md345797 | 2012-02-03 06:12 | その他

Micro-RNA 132および212は脂肪酸代謝とインスリン分泌に対する効果を調節する

Micro-RNA 132 and 212 mediated regulation of fatty acid metabolism and its effect on insulin secretion.

Mufaddal S. Soni, Mary E. Rabaglia, Mark P. Keller, Sushant Bhatnagar, Jin Shang, Yun-Ping Zhou, Alan D. Attie. University of Wisconsin- Madison

Keystone Symposia:Pathogenesis of Diabetes Feb 2, 2012 (Poster 407)

肥満における糖尿病になりやすさ(diabetes susceptibility)について検討するため、2つの系統のマウス、すなわち肥満になっても糖尿病になりにくいC57BL/6 J (B6) マウスと、肥満になると重症の糖尿病を発症するBTBRマウスを比較した。定量的発現プロファイルを用いて検討し、B6マウスの膵島でBTBRマウスに比べて肥満によって発現が増加する2つのmiRNAsを同定した。肥満により、miRNA 132および212はB6マウス膵島では13倍発現が増加するが、BTBRマウス膵島では3倍しか発現が増加しなかった。膵β細胞でこれらのmiRNAの発現が増加すると、グルコース刺激によるインスリン分泌(GSIS)が促進されるため、この発現増加の違いがBTBRマウスの糖尿病のなりやすさに関わっていると考えられる。これらのmiRNAのターゲット遺伝子を検索したところ、Carnitine Acyl-Carnitine Translocase (CACT)が最も発現が低下する遺伝子であった。CACTは、β酸化のためのlong chain fatty acyl carnitines (LCFAC)のミトコンドリアへの輸送を担っており、ヒトのCACT欠損は低ケトン性低血糖につながる重篤な疾患を引き起こす。siRNAを用いてCACT発現をノックダウンするとGSISが促進され、さらに基質であるLCFACを添加するとその効果が増強する。miRNA 132と212はCACT発現を調節(減少)させることにより、細胞質内のLCFACを増加させ、未知の機序によってインスリン分泌を促進すると考えられる。これらの検討により、脂肪酸がインスリン分泌を調節するメカニズムと、それを調節するmiRNAの役割が示唆された。
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by md345797 | 2012-02-03 06:10 | その他

白色脂肪組織における褐色脂肪細胞の消失は、加齢とインスリン抵抗性を結びつける新たなメカニズムである

Loss of brown adipocytes in white adipose tissue is a novel molecular link between aging and associated insulin resistance

Nicole H Rogers, Alejandro Landa, Roy G Smith.
Metabolism and Aging, The Scripps Research Institute.

Keystone Symposia:Pathogenesis of Diabetes Feb 1, 2012 (Poster 340)

加齢はインスリン抵抗性を亢進させるが、その分子メカニズムは不明である。腹腔内白色脂肪組織(WAT)の炎症性変化の重要性については知られているが、加齢に伴う皮下白色脂肪組織(sWAT)の変化についてはあまり分かっていない。sWATはエネルギー消費を行う褐色脂肪細胞(UCP1+)の亜集団を含むという特徴がある。

この研究では、加齢がC57Bl/6マウスの鼠径部sWATにどのような影響を与えるかについて検討した。RNAシークエンシングによって、若年(6週齢)と中年(1年齢)のマウスのsWATを比較し、加齢により褐色脂肪細胞に特異的な遺伝子(ucp1, cidea, cox7a1)の発現が減少することを明らかにした。定量的PCRおよび免疫染色によって、sWATの褐色様部位(脂肪滴が複眼様で、UCP1が発現)が3か月齢まで増加し、その後大きく消失することを示した。この褐色様部位は、3か月から12か月の間に減少し、白色脂肪の形態(脂肪滴が単眼様で、細胞質が非常に小さく、UCP1発現がない)が優位を示すようになる。この「褐色化」の消失は、sWATに特徴的であり、その結果、3か月齢のマウスのsWATは精巣上WATに比べて1300倍ucp1を発現しているが6か月齢では6倍でしかない。

1年間カロリー制限をした22.7gのマウスのsWATと、同年齢のカロリー制限をしなかった40.5gのマウスおよび3か月齢の22.7gの体重同一マウスを比較すると、カロリー制限によって体重増加を妨げても加齢によるucp1の大きい消失はほとんど減弱されなかった(カロリー制限は、加齢に伴う褐色化の消失に対しては役に立たなかった)。加齢により、褐色脂肪マーカー遺伝子発現の減少に加え、白色脂肪マーカー遺伝子の発現増加(lepが60倍、oxtr が270倍、 fgf13 が67倍、lipf が40倍)が認められた。

以上の結果から、(1)sWATにおける褐色脂肪細胞の消失は、新規加齢プログラムの一つであることが明らかになり、(2)WATの褐色化を調節するメカニズムを理解するモデルが得られた。これらは、全身の機能低下に先行する変化を示し、加齢に伴う2型糖尿病の病態理解に役立つと思われる。
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by md345797 | 2012-02-02 16:18 | その他

システム生物学的アプローチによる、メタボリックシンドロームモデルマウスの抗糖尿病治療の効果の解明

Systems biology approach reveals the effects of anti-diabetic treatments in a mouse model of metabolic syndrome

Marijana Radonjic, Annelies J.H.M. Stroeve, Varshna Goelela, Lars Verschuren, Suzan Wopereis, Carina Rubingh-de Jong, Marjan van Erk, Peter Y. Wielinga, Ben van Ommen, Nicole Cnubben and Robert Kleemann
Earth Environmental and Life Sciences, The Netherlands

Keystone Symposia:Pathogenesis of Diabetes Feb 1, 2012 (Poster 334)


2型糖尿病治療に対しては、生活様式の改善とともに、何種類かの経口糖尿病薬(OAD)による治療を行う。この研究ではLDLR-/-マウスを対象にもっともよく用いられるOADクラス(メトフォルミン、SU剤、チアゾリジンン系薬剤、DPP4阻害薬など)に認められる2型糖尿病に対する効果と副作用について、システム生物学を用いてそのメカニズムを検討した。このマウスモデルは、高脂肪食を9週間負荷すると、メタボリックシンドロームを含むprediabetesの様相を呈する。9週間以降にOAD治療群と正常食にスイッチした群(生活様式介入群)に分け、さらに7週間飼育した。

肝が薬物代謝の中心的な役割を果たすので、高脂肪食と11の高糖尿病治療が、肝のゲノムワイドtranscriptome (Illumina microarray platform)および肝のmetabolome (GS-MS, oxylipids and lipidomics platforms)および血漿proteomeと血漿metabolome (GC-MS)を解析した。高度なシステム生物学的アプローチにより、これらのパラメーターは2型糖尿病の代理マーカー(空腹時血糖と尿糖)および糖尿病エンドポイント合併症(動脈硬化、肝内脂肪蓄積)に関連することが分かった。このアプローチによって、糖尿病の状態、肝や血漿での分子メカニズムごとに異なる介入の効果が明らかになった。
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by md345797 | 2012-02-02 16:17 | その他

GPR21の欠損は高脂肪食負荷肥満マウスのインスリン感受性を亢進させる

Deletion of G protein coupled receptor 21 improves insulin sensitivity in diet-induced obese mice.

Olivia Osborn, Da Young Oh, Lucinda Thiede, Joanne McNelis, Hide Morinaga, Saswata Talukdar, Min Lu, PingPing Li, Sarah Nalbandian, Manuel Sanchez-Alavez, John Hadcock, Tamas Bartfai, Jerrold M Olefsky University of California San Diego.

Keystone Symposia:Pathogenesis of Diabetes Feb 1, 2012 (Poster 324)

GPR21は、脳とマクロファージに多く発現するオーファンG蛋白共役受容体である。
脂肪組織では、肥満に伴ってGPR21が主に間質血管細胞に発現する。全身のGPR21の欠損は、高脂肪食負荷時のインスリン感受性と耐糖能を改善し、エネルギー消費を増加させる。さらに、GPR21欠損マウスは高インスリン正常血糖クランプによる肝と筋肉のインスリン感受性が改善している。肝と脂肪における炎症性遺伝子発現は低下、抗炎症遺伝子の発現は増加していた。

培養脂肪細胞からのconditioned mediumを腹腔内マクロファージの遊走を刺激するのに用いるin vitroでの走化性の検討を行ったところ、GPR21の欠損によりマクロファージの遊走が減少した。これは、in vivoでのマクロファージトラッキングでも確認された。

インスリン感受性に対する、マクロファージでのGPR21発現の影響を検討するため、造血細胞特異的GPR21欠損マウス(BMT-GPR21-/-)とコントロール(BMT-WT)を比較した。高脂肪食による肥満BMT-GPR21-/-マウスは、耐糖能とインスリン感受性がコントロールに比べて改善していた。このマウスは、全身の炎症マーカーの減少と肝のインスリン感受性の改善が認められた。

In vivoで、視床下部でのGPR21の生理的役割を検討するため、C57BL6マウス視床下部にlenti-GPR21ベクターを直接注入して発現をノックダウンしたところ、体重が減少し、炎症性マーカーの変化は伴わずに糖代謝の中程度の改善が認められた。

結論として、(1)全身のGPR21の欠損はインスリン感受性亢進と組織炎症の減少をもたらす、(2)マクロファージでのGPR21欠損は、マクロファージの走化性を抑制し、組織炎症を減少させることにより、インスリン感受性を増強する、(3)視床下部でのGPR21発現のノックダウンは体重を減少させる。視床下部またはマクロファージでのGPR21発現の減少は、インスリン感受性改善に役立つため、GPR21は肥満に伴うインスリン抵抗性の治療の新規治療ターゲットになりうると考えられた。
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by md345797 | 2012-02-02 16:16 | その他

急性運動により、高脂肪食負荷ラット脂肪組織でマクロファージのM2 activationが促進される

Acute Exercise Induces Macrophage Polarization Toward M2 Activation in adipose tissue of DIO rats

Oliveira, A.G., Araujo, T.G, Carvalho, B.M., Rocha, G.Z., Bagarolli, R.A., Guadagnini, D, Saad, M.J.A. Department of Internal Medicine, State University of Campinas, Campinas, SP, Brazil.

Keystone Symposia:Pathogenesis of Diabetes Feb 1, 2012 (Poster 323)

白色脂肪組織(WAT)へのマクロファージ浸潤は、炎症性サイトカインの産生源として、また肥満のインスリン抵抗性進行の主要な要因として重要である。マクロファージは、肥満の状態では、炎症性のclassical activation profileを持つM1として、一方正常の状態では、免疫抑制因子(IL-10など)を放出するalternative activationを受けたM2として存在する。運動はWATの炎症性の状態を抑制すると考えられているが、運動がマクロファージの状態にどう影響するかは分かっていない。この研究では、急性の水泳運動が、脂肪組織の間質血管分画(SVF)および脂肪細胞の炎症性状態とインスリンシグナル伝達にどのように影響するかを検討した。運動はSVFと脂肪細胞の両者で、TLR4/MyD88の結合を減少させた。また、運動は主にSVFにおける炎症性の状態を抑制し、WATへのマクロファージ浸潤を変化させることなく、TNF-α、IL-β、MCP-1の発現を減少、IL-10の発現を増加させた。運動させた動物は血中LPSとTNF-αが減少し、IL-10が増加した。これらの動物では、SVFと脂肪細胞の両者で、インスリンによるIR、IRS-1、Aktのリン酸化が亢進していた。さらに、高脂肪食負荷肥満ラットを運動させると、炎症性サイトカインの抑制が起こるだけでなく、抗炎症サイトカインの分泌が増加した。これらの変化は、運動がマクロファージのM1からM2への形質転換を促進し、それによって高脂肪食負荷ラットのWATでのインスリンシグナル伝達が運動によって改善したことを示している。以上の結果は、運動とWATでの炎症・インスリン抵抗性改善を結び付けるメカニズムの理解に役立つと思われる。
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by md345797 | 2012-02-02 16:14 | その他