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白人成人146万人におけるBMIと死亡率

Body-Mass Index and Mortality among 1.46 Million White Adults.

Berrington de Gonzale A, Hartge P, Cerhan JR, et al.

N Engl J Med. 2010 Dec 2; 363:2211-2219.

【まとめ】
白人男性を対象として19の前向き研究からプールされた146万人のデータを用いて、BMIと死亡率の関連を検討した。BMIと全死因による死亡の間にJ字型の関連が見られ、最適なBMIは20.0-24.9であった。

【論文内容】
肥満(obese:BMI30.0以上)は心疾患・脳卒中・がんによる死亡率が高いことが知られているが、全ての死因による死亡率とBMIの関係や最適なBMIについては依然不明である。また、過体重(overweight:BMI25.0-29.9)は全死因の死亡率が低い、またはやや高いという報告がある。このようにBMIと死亡率の関連が報告によって一致しないのは、喫煙の有無、疾患に伴う体重減少、追跡期間の違いなどの交絡因子が原因と考えられている。

今回、白人成人146万人を対象とする19の前向き研究からプールされたデータを用いてBMIと全死因死亡率の関連および最適なBMIについて検討した。

ベースラインにおけるBMI(中央値)は26.2であり、10年の追跡期間で160,087件の死亡が同定された。喫煙歴のない健常者では、BMIと全死因による死亡の間にJ字型の関連が見られた。
本研究では、BMI 22.5-24.9を基準のカテゴリー(reference category)とし、女性におけるハザード比を推定した。ハザード比は、
BMI 15.0-18.4: 1.47
18.5-19.9: 1.14
20.0-22.4: 1.00
25.0-29.9: 1.13
30.0-34.9: 1.44
35.0-39.9: 1.88
40.0-49.9: 2.51
であった。男性におけるハザード比も同様であった。

【結論】
白人成人において、過体重と肥満、および低体重は全死因による死亡率の上昇に関連する。最適なBMI、すなわち全死因死亡率が最も低いのは、BMI 20.0-24.9の層である。
by md345797 | 2010-12-03 00:17 | 大規模臨床試験