Safety and efficacy of ranibizumab in diabetic macular edema (RESOLVE Study): a 12-month, randomized, controlled, double-masked, multicenter phase II study.
Massin P, Bandello F, Garweg JG, Hansen LL, Harding SP, Larsen M, Mitchell P, Sharp D, Wolf-Schnurrbusch UE, Gekkieva M, Weichselberger A, Wolf S.
Diabetes Care. 2010 Nov;33(11):2399-405.
【まとめ】
糖尿病黄斑浮腫(DME: diabetic macular edema)ではVEGF(血管内皮増殖因子)の発現が増加しており、その原因として重要と考えられている。そこで、VEGFに結合し作用を阻害する抗体であるラニビズマブ(ranibizumab)の効果と安全性について検討した。本研究は12か月の多施設、二重マスクの研究であり、ラニビズマブ硝子体内投与群とsham群を比較した。12か月の試験期間後、ラニビズマブ硝子体内投与群はsham群に比べ、中心網膜厚(CRT) と最高矯正視力(BCVA)が有意に改善した。安全性に関しても以前の研究と同様で大きな問題はなかった。ラニビズマブはDMEの治療に有用、安全であり、さらなる長期試験による検討が待たれる。
【論文内容】
DMEは糖尿病網膜症における重要な視力低下原因である。DMEの発症において、VEGFが血管新生と細小血管からの漏出をもたらすことが大きな原因となっている。現在、DMEに対してはレーザー光凝固療法がメインの治療法であるが、新しい治療法としてVEGFを抑制する治療が可能である。現在、VEGFに対するモノクローナル抗体であるラニビズマブの硝子体投与は、新生血管を伴う加齢黄斑変性(nAMD: neovascular age-related macular degeneration)の治療に用いられている。この治療では、硝子体から全身へ循環する抗体のVEGF阻害の安全性を検討する必要がある。そこで、DMEに対するラニビズマブの効果と安全性を検討するため、RESOLVE第Ⅱ相試験が行われた。
ラニビズマブ硝子体投与群 (n=102)はsham群 (n=49)に比べ、ベースラインでのCRT、BCVAに差はなかったが、12か月の試験後ラニビズマブ投与群で、BCVAが有意に改善、CRTが有意に減少した。有害事象に関しては両群で差はなかった。
【追加コメント】
ラニビズマブ(抗VEGF抗体、販売名「ルセンティス® 」ノバルティス)は以前から「新生血管を伴う加齢黄斑変性」に適応だったが、今回EUにおいて、ラニビズマブが、DMEの治療薬として新たな適応症を承認取得した(日本ではDMEに対しては2011年1月現在、第Ⅲ相臨床試験中)。