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LADA (Latent Autoimmune Diabetes in Adults:成人潜在性自己免疫型糖尿病)

Latent autoimmune diabetes in adults.

Naik RG, Brooks-Worrell BM, Palmer JP.

J Clin Endocrinol Metab. 2009 Dec;94(12):4635-44.

【まとめ】
膵島抗原に対する自己抗体は通常は1型糖尿病で認められるが、2型糖尿病の約10%でも膵島自己抗体の少なくとも1つが認められる。このグループは、LADAと呼ばれている。LADAは自己免疫疾患という点で1型糖尿病と似た遺伝的・免疫学的特徴を示すが、自己抗体クラスターやT細胞反応性、遺伝的感受性などで1型糖尿病とは明らかに異なることが知られている。

【総説内容】
2型糖尿病のうち、約10%が膵島自己抗体=ICA抗体、GAD65抗体、IA-2抗体、インスリン抗体(IAA: insulin autoantibody)のうち少なくとも一つが陽性であり、Zimmet(1995, Diabetes Care)はこのグループをLADA (Latent Autoimmune Diabetes in Adults、成人潜在性自己免疫糖尿病)と呼んだ。これは、slowly progressive type 1 diabetes (緩除進行型1型糖尿病)、type 1.5 diabetesとも呼ばれている。

LADAは、自己抗体の少なくとも1つが陽性で、一般的に35歳以上で、肥満がなく、当初食事療法だけでコントロールが付いていたが、徐々にインスリン依存状態になる糖尿病である。自己抗体陰性の2型糖尿病よりもインスリン治療が急速に必要になる状態であることが分かっている。また、LADAの臨床症状は自己抗体のtiterと数に相関することも知られている。LADAのβ細胞機能は、1型糖尿病と2型糖尿病の中間であり、インスリン抵抗性は1型糖尿病と同様で、2型糖尿病よりは少ないと考えられている。膵島の炎症反応は、1型糖尿病(サイトカインによるβ細胞機能不全)と2型糖尿病(栄養状態によるβ細胞機能不全)ではオーバーラップするところがあり(IL-1βシグナル伝達経路など)、1型と2型は連続する同じ病態の2つの対極にあるものととらえることもできる。

LADAの治療には、①早期のインスリン導入が有用であることが報告されており、そのほかに②thiazolidinedioneにより炎症を抑える治療、③GADワクチンを用いたimmunomodulationなどが考えられている。

by md345797 | 2011-01-23 20:45 | 糖尿病の病態生理