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入院患者の血糖コントロール管理における強化インスリン療法―ACPからのガイドライン

Use of Intensive Insulin Therapy for the Management of Glycemic Control in Hospitalized Patients: A Clinical Practice Guideline From the American College of Physicians.

Qaseem A, Humphrey LL, Chou R, Snow V, Shekelle P; for the Clinical Guidelines Committee of the American College of Physicians.

Ann Intern Med. 2011 Feb 15;154(4):260-267.

【まとめ】
入院患者の血糖コントロールにおける強化インスリン療法について、American Collage of Physicians(ACP)でガイドラインを策定した。(1)内科系集中治療室(MICU)では、厳格な血糖管理を行う強化インスリン療法は推奨されない。(2)同じく、血糖を正常化するための強化インスリン療法は推奨されない。(3)インスリン療法を行う場合、目標血糖値は140-200mg/dLである。

【論文内容】
ACPでは、入院患者の血糖コントロールに対する強化インスリン療法の有用性と危険について、メタアナリシスをもとに検討した。ここでいう強化インスリン療法は、頻回血糖測定により目標血糖値に近付けるためのインスリンの静脈投与であり、集中治療室(ICU)での目標血糖値は通常、80-110mg/dL、ICU以外では200mg/dL未満とされる。

現在のエビデンスでは、目標血糖値80‐180 mg/dLに保っても死亡率は減少していない。血糖140mg/dL未満は低血糖のリスクが大きくなるため、避けるべきと言える。低血糖のエピソードがあると死亡率の増加、入院期間の延長があるというエビデンスがある。集中治療室での強化インスリン療法は低血糖のリスクが大きく、推奨できない。適切な血糖値の範囲を示すにはエビデンスが十分でないが、140-200mg/dLが低血糖が少なく死亡率も低い一つの信頼できるオプションである。
by md345797 | 2011-03-10 23:22 | 臨床研究