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2型糖尿病の微量アルブミン尿発症の遅延または予防におけるオルメサルタンの効果

Olmesartan for the Delay or Prevention of Microalbuminuria in Type 2 Diabetes.

Haller H, Ito S, Izzo Jr. JL, Januszewicz A, Katayama S, Menne J, Mimran A, Rabelink TJ, Ritz E, Ruilope LM, Rump LC, Viberti G, for the ROADMAP Trial Investigators.

N Engl J Med. 2011 March 10, 364:907-917.


【まとめ】
4447名の正常アルブミン尿の2型糖尿病患者を、無作為にARBのオルメサルタン投与群とプラセボ群に割り付け、3.2年追跡した。両群とも血圧が130/80mmHg未満になるように追加の降圧剤治療(ARB、ACE阻害薬以外)を行った。その結果、オルメサルタン群で微量アルブミン尿の発症を23%遅らせることができた。ただしオルメサルタン群で、致死的心血管イベントの率が高かった。

【論文内容】
糖尿病性腎症患者の腎機能悪化には、レニン・アンジオテンシン系の過剰な活性化が伴っている。ACE阻害薬は、高血圧2型糖尿病患者の微量アルブミン尿の発症を遅らせることが知られているが、ARBにも同様な効果があるかは分かっていなかった。今回、ROADMAP studyでオルメサルタン40mg/日投与で、微量アルブミン尿の発症を遅らせることができることが示された。

4447名の白人2型糖尿病患者をオルメサルタン投与群とプラセボ群に無作為に割り付け、平均3.2年追跡した。血圧は、オルメサルタン群の80%、プラセボ群の71%が目標値の130/80mmHg未満を達成できた。一次エンドポイントである微量アルブミン尿の発症までの時間は、オルメサルタン群がプラセボ群に比べて23%長かった。また、致死的心血管イベントが発生した患者はオルメサルタン群の方が多く15 例(0.7%)であったのに対し,プラセボ群では 3 例(0.1%)であった(P=0.01).冠動脈心血管患者では、オルメサルタン群で致死的心血管イベントが多かった点が懸念される。
by md345797 | 2011-03-11 12:08 | 大規模臨床試験