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サーチュイン、加齢、薬剤

Sirtuins, aging, and medicine.

Guarente L.

N Engl J Med. 2011 Jun 9;364(23):2235-44


【総説内容】
寿命に関連ある遺伝子として、NAD-依存性蛋白脱アセチル化酵素であるサーチュインが発見された。サーチュインは、カロリー制限による寿命の延長に重要である。哺乳類は7種類のサーチュインを持ち、環境ストレス、特に飢餓状態への適応に重要な役割を果たしている。サーチュインを活性化する分子も報告されており、それらの分子が抗加齢に役立つのかが議論されている。

酵母の生存期間を延長させるSir2の発見に始まり、線虫、ショウジョウバエ、マウスなど全生物でSir2相当遺伝子(sirtuins)が寿命延長に関わっていることが示されてきた。哺乳類では、SIRT1が主要な核蛋白であり、そのターゲット遺伝子にはPGC-1αやFOXOが含まれる。SIRT1は概日時計の構成因子(BMAL1、PER2)の調節も行う。またAMPKに関連してエネルギー制限時の代謝に関与している。

SIRT1の活性化物質レスベラトロール(resveratrol)を肥満マウスまたは高脂肪食負荷マウスに投与すると、抗糖尿病作用が見られる。SIRT1を過剰発現したトランスジェニックマウスも同様の糖尿病予防作用がある。また、心臓にSIRT1を過剰発現したマウスでは病的な心肥大を防ぐことができ、AT1受容体の発現を減らし平滑筋が保護された。同時にコレステロール代謝、腎尿細管上皮の保護、アルツハイマー病予防にも役立っている。

小分子のスクリーニングにより、レスベラトロールのようなポリフェノールがSIRT1を活性化することが分かった。また、SIRT1を阻害するDBC1という分子も知られており、DBC1欠損マウスはSIRT1トランスジェニックマウスに似た形質が現れた。現在、2つの異なるSIRT1活性化物質による臨床試験(第1相、第2相)が進行中である。
by md345797 | 2011-06-13 05:33 | 症例検討/臨床総説