人気ブログランキング | 話題のタグを見る

一人抄読会

syodokukai.exblog.jp
ブログトップ

肥満者へのレスベラトロール30日間補充によるカロリー制限様効果

Calorie Restriction-like Effects of 30 Days of Resveratrol Supplementation on Energy Metabolism and Metabolic Profile in Obese Humans.

Timmers S, Konings E, Bilet L, Houtkooper RH, van de Weijer T, Goossens GH, Hoeks J, van der Krieken S, Ryu D, Kersten S, Moonen-Kornips E, Hesselink MK, Kunz I, Schrauwen-Hinderling VB, Blaak EE, Auwerx J, Schrauwen P.

Cell Metab. 2011 Nov 2;14(5):612-22.

【まとめ】
レスベラトロールは、肥満モデル動物のエネルギー代謝とミトコンドリア機能において、カロリー制限様効果をもたらす天然の化合物である。今回、11人の肥満者に対し、プラセボと150㎎/日のレスベラトロールを30日間クロスオーバー投与する検討を行った。レスベラトロールは睡眠時および安静時の代謝率を低下させた。また、レスベラトロールは筋肉において、ミトコンドリアの量を変化させることなく、AMPKを活性化し、SIRT1とPGC-1αの蛋白量を増加させ、クエン酸合成酵素の活性を増加させた。また、筋肉の脂肪酸由来基質に対するミトコンドリア呼吸を改善した。さらにレスベラトロールは筋肉細胞内脂質量を増加させ、肝内脂質量、血糖、中性脂肪、ALTと炎症マーカーを減少させた。レスベラトロールにより、収縮期血圧は低下し、HOMA indexは改善した。食後の状態で、脂肪分解(lipolysis)、血漿中の脂肪酸、グリセロールは減少した。結論として、肥満者に対する30日間のレスベラトロール補充は、カロリー制限様の代謝変化をもたらすことが示された。

【論文内容】
試験デザインと血漿生化学値・臨床検査値の変化

11名の肥満男性(肥満以外は健康)に対し、プラセボとレスベラトロール(150㎎/日、99%のresVida)を投与する無作為、二重盲検、クロスオーバー試験を4週間行った。レスベラトロール投与後は、ALT、レプチン、炎症性マーカー(TNFα、IL-6)が低下、血糖、血漿インスリン値は低下しHOMA indexが改善した。また、レスベラトロール投与後は、睡眠時代謝率が低下した(カロリー制限の模倣効果と考えられる)。また、収縮期血圧、平均動脈圧が低下した。

組織での脂肪分解
次に、レスベラトロールが脂肪組織や骨格筋で食後の脂肪酸化を促進するかについて検討した。レスベラトロール投与後は脂肪組織でのグリセロール量が低下、脂肪酸酸化は低下した。

ミトコンドリア活性の増加
プラセボとレスベラトロール投与で、筋生検を行い、469個の遺伝子発現をマイクロアレイを用いて検討したところ、219が増加、250が低下していた。レスベラトロール投与により、ミトコンドリア酸化的リン酸化関連遺伝子は発現が亢進し、炎症に関する遺伝子が発現低下していた。レスベラトロールはAMPKを活性化することが知られており、レスベラトロール投与によりAMPKαサブユニットのThr172のリン酸化レベルが増加していた。AMPKの下流のSIRT1とミトコンドリアの主要な調節因子であるPGC-1αの発現、ミトコンドリア活性のマーカーであるクエン酸合成酵素の活性はレスベラトロール投与により増加した。

肝臓・骨格筋における脂肪蓄積
レスベラトロール投与後は、肝内脂肪量は低下したが、筋肉細胞内脂肪は2倍増加した。これは筋肉の持久的トレーニングの効果と同様のものと考えられる。

【結論】
レスベラトロールの30日間投与は、カロリー制限様の代謝に対する好ましい効果をもたらした。今後、長期的な用量依存的なレスベラトロール補充の効果を確認すべきである。
by md345797 | 2011-11-12 22:58 | エネルギー代謝