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急性運動により、高脂肪食負荷ラット脂肪組織でマクロファージのM2 activationが促進される

Acute Exercise Induces Macrophage Polarization Toward M2 Activation in adipose tissue of DIO rats

Oliveira, A.G., Araujo, T.G, Carvalho, B.M., Rocha, G.Z., Bagarolli, R.A., Guadagnini, D, Saad, M.J.A. Department of Internal Medicine, State University of Campinas, Campinas, SP, Brazil.

Keystone Symposia:Pathogenesis of Diabetes Feb 1, 2012 (Poster 323)

白色脂肪組織(WAT)へのマクロファージ浸潤は、炎症性サイトカインの産生源として、また肥満のインスリン抵抗性進行の主要な要因として重要である。マクロファージは、肥満の状態では、炎症性のclassical activation profileを持つM1として、一方正常の状態では、免疫抑制因子(IL-10など)を放出するalternative activationを受けたM2として存在する。運動はWATの炎症性の状態を抑制すると考えられているが、運動がマクロファージの状態にどう影響するかは分かっていない。この研究では、急性の水泳運動が、脂肪組織の間質血管分画(SVF)および脂肪細胞の炎症性状態とインスリンシグナル伝達にどのように影響するかを検討した。運動はSVFと脂肪細胞の両者で、TLR4/MyD88の結合を減少させた。また、運動は主にSVFにおける炎症性の状態を抑制し、WATへのマクロファージ浸潤を変化させることなく、TNF-α、IL-β、MCP-1の発現を減少、IL-10の発現を増加させた。運動させた動物は血中LPSとTNF-αが減少し、IL-10が増加した。これらの動物では、SVFと脂肪細胞の両者で、インスリンによるIR、IRS-1、Aktのリン酸化が亢進していた。さらに、高脂肪食負荷肥満ラットを運動させると、炎症性サイトカインの抑制が起こるだけでなく、抗炎症サイトカインの分泌が増加した。これらの変化は、運動がマクロファージのM1からM2への形質転換を促進し、それによって高脂肪食負荷ラットのWATでのインスリンシグナル伝達が運動によって改善したことを示している。以上の結果は、運動とWATでの炎症・インスリン抵抗性改善を結び付けるメカニズムの理解に役立つと思われる。
by md345797 | 2012-02-02 16:14 | その他