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砂糖入り甘味飲料と肥満の遺伝的リスク

Sugar-Sweetened Beverages and Genetic Risk of Obesity.

Qi Q, Chu AY, Kang JH, Jensen MK, Curhan GC, Pasquale LR, Ridker, Hunter DJ, Walter C. Willett WC, Rimm EB, Chasman DI, Hu FB, Qi L.

N Engl J Med. Published online September 21, 2012.

【まとめ】
背景 砂糖入り甘味飲料の消費の増加は、肥満の有病率増加と並行している。これらの甘味飲料の摂取が遺伝的素因とどのように相互作用し肥満をきたしているかは明らかではない。
方法 そこで、6934名の女性(Nurses’ Health Study: NHS)と4423名の男性(Health Professionals Follow-up Study: HPFS)、および再現コホートとして21,740名の女性(Women’s Geneome Health Study: WGFS)を対象として、遺伝的素因と砂糖入り甘味飲料の摂取の相互作用がBMIと肥満リスクに果たす役割を解析した。遺伝的素因のためには、32のBMIに関連した遺伝子座をもとにgenetic-predisposition score(GPS:遺伝的素因スコア)を計算した。
結果 NHSとHPFSコホートにおいて、遺伝的素因とBMIの関連は、砂糖入り甘味飲料を多く飲んでいる対象者の方が、少ない対象者より強かった。両者を合わせたコホートにおいて、10のリスクアリル増加ごとのBMI増加は、1.00(月あたり1 serving以下の摂取)、1.12(月あたり4 servings)、1.38(週あたり2-6 servings)、1.78 (1日あたり1 serving以上)であった。同じ砂糖入り甘味飲料の摂取カテゴリーで、10のリスクアレルごとの肥満頻度の相対リスクは、1.19、1.67、1.58、5.06と有意に上昇した。WGHSコホートにおいては、10のリスクアレル増加ごとのBMI増加は1.39、1.64、1.90、2.53と有意に増加、肥満頻度の相対リスクも1.40、1.50、1.54、3.16とそれぞれ有意に増加した。
結論 肥満と遺伝的素因の関連は、砂糖入り甘味飲料を多く飲んでいる人でより強いと考えられる。
by md345797 | 2012-09-23 01:11 | 大規模臨床試験